退けさせてから、ソムロアに問う。公子を使いに来させた大公について。 「大した人物だろうな。税も重くなく、領民の評判もいい。少なくとも、お前よりは人の上に立つのにふさわしい男だろう」 ルオーは苦笑した。この男の物言いにはもはや腹も立たない。 かといって、公子に伝えたように和平を容れるつもりは毛頭ない。ルオーも志をもってこの軍を動かしている。この大陸を統一することが結果的に平和をもたらし、人々に平穏な生活をもたらすというのが彼の信念だった。 しかしその信念を揺るがすのが、前述の彼の悩みなのであった。 その悩みの種に向かおうと歩き出したが、ソムロアに言葉をかけた。 「ならば、俺のところになどおらずに、いまからジルドのところに行けばいいではないか」 「このソムロア、変わり者でな。それにお前は王の器としては今ひとつだが、一個の人間としては悪くない」 「有難うよ」 王は手を軽く上げて、彼の変わった形の忠誠に感謝した。 [ロード・オブ・ロード] より